活性酸素について
近年、活性酸素という言葉をよく耳にすると思います。しかし、増えすぎた活性酸素はさまざまな病気を起こす要因の1つとなるのです。
活性酸素とはどういったものでしょう?
活性酸素とは、呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が、通常よりも活性化された状態になることを言います。活性酸素は、殺菌力が強く体内では細菌やウイルスを撃退する役目として、生命維持には必ず必要なものですが、過剰に発生すると身体を酸化(サビ)させて、脳や体の細胞にまでダメージを与えてしまう性質も持っています。
どのようにして体にダメージを与えるのでしょう?
ミトコンドリア(体内のエネルギー工場)で活動エネルギーを作り出すとき、こぼれた電子と酸素が結びついて、スーパーオキサイドが作られ、さらに電子が吸収されると過酸化水素になり、さらに電子が吸収されると毒性の強い水酸化ラジカルになります。酸素なら使いこなせるミトコンドリアも活性酸素のより強い酸化力はコントロールできず、壊されてしまいます。活性酸素はミトコンドリアを壊す天敵と言えます。このミトコンドリア内に過剰な活性酸素(水酸化ラジカル)があると、ATP産生量が低下し、体内のエネルギーが作られなくなります。
体を健康にするためには?
体内のエネルギーを増やすためには、ミトコンドリア内の過剰な活性酸素(水酸化ラジカル)を消去する必要があります。その為、ミトコンドリア内の活性酸素を消去できる『抗酸化物質』の摂取が必要になります。さらに、脳は最も活性酸素を発生させる臓器なので、血液脳関門を通過でき、脳内のミトコンドリアまで到達できる安全な『抗酸化物質』が望まれます。
生活習慣の乱れ、食生活の乱れなど体の健康バランスを損なうようなことにより増大した活性酸素は、疲労、不眠、うつ、認知症、更年期障害など、私たちの心身に様々な疾患をもたらす要因の一つとなります。そして脳や卵巣においては、活性酸素を消す酵素が少ないため活性酸素が溜まりやすいのです。まずは、活性酸素を減らす生活の努力をし、抗酸化作用をもつ食べ物の摂取を考えましょう。